ウォルマート、「おデブ用コスチューム」で批判浴びる

※本記事は、2014年10月29日に高橋が掲載したブログ記事を再掲載したものです。

 

米大手スーパーチェーンのウォルマートは10月27日、ソーシャルメディアやブログ上に「おデブ女子用コスチューム(fat girl costume)」というハロウィーン用コスプレコーナーを設けたところ、同社のソーシャルメディアが消費者からの批判を浴びて炎上した。ウォルマートは同日午後、直ちにこのコーナーを撤去し、ツイッター上で謝罪した。

 

PRデイリーによると、ツイッターやフェイスブックの多くのユーザーらは「どうしてウォルマートの管理職らはこのようなネーミングが大丈夫だと考えたのだろう」などと批判的なコメントを書き込んでいる。

いじめで苦しんだ10代女子がブログで主張

いじめに反対するブログ 「ルーザー・ガール(負け組女子)」 の10代ブロガー、アリーはさらに手厳しい。ブログによると、アリーはコネチカット州に住む15歳の女子高生で、13歳のとき、何年にもわたるいじめのせいで自殺を図ろうとし、このブログを始めたという。

「大きめのサイズの人にとっては、ハロウィーンはとっても怖いイベントなの。ゴーストが怖いわけではなく、コスチュームを探すことがね。ウォルマートがそうした人たちのことをデブ(fat)と呼んでいるとしたら、それはトリック(いたずら)でもトリート(もてなし)でもなく、侮辱だと思う。そして、その店ではもう買い物をしないという理由になるからね」

表現を変更せざるを得なかったウォルマート

ウォルマートは「おデブ女子用コスチューム」コーナーを外し、「プラスサイズ女性のハロウィーン・コスチューム」に変更して再掲載した。

PRデイリーは、このサイトの見出しは「大人・プラスサイズ・ハロウィーン」といった検索結果の中に並んで出てくることを考えると、「おデブ女子用コスチューム」という名前は、SEO(検索エンジン最適化)の努力の一環で、おそらくはメタタグ(検索エンジンにサイトの概要を伝える情報)が自動的に生成されて現れたのではないかと推測している。

また、この事件は、検索エンジンのクローラ(自動的にウェブページを収集するソフトウェア)がこのウォルマートのページを見つけたからというだけではなく、このページの見出しがフェイスブック中の広告に現れ、多くの人々の目に止まるようになったため、とくに問題が大きくなったとみられている。

もしタグの自動生成が原因だとすれば(あるいは人的原因であったとしても無論)、同社のソーシャルメディアのチェック機能の強化が求められることになる。

おすすめ記事一覧

災害時のプレスリリースは取り敢えず出す 大地震や津波、火山噴火、大洪水といった災害が発生したとき、企…

プレゼンテーションを行うとき、もっとも大事なことは自信を持って話すことです。そうは言っても、不安だか…

遠隔授業に関して世界でももっとも進んでいる米国では、大学生や専門学校に関しては、これまでも非常に多く…

来るべきパンデミックにどう備えるか 新型コロナウイルスがあっという間に世界に拡散し、間もなく感染者は…

会議などでその場でなにかを発言しなければならない、そんな状況が苦手な人がいるものです。私も若い頃はそ…

社員がブランドの広告塔になる ブランド・アンバサダーとは、個人として企業やブランドの広告塔となり、人…

文章のライティングは必須スキル 広報・マーケティングにとって、文章のライティングは必須スキルの一つで…

日米の謝罪をめぐる文化ギャップ 企業による謝罪の件数はここ数十年の間に激増している。これは日本だけに…

日本の職場における「多様性」(ダイバーシティ)という場合、まずは男女共同参画と、世代(ジェネレーショ…

運営会社やコンサルタントもいろいろある ソーシャルメディアの運営を外部の専門会社に委託する企業が増え…

メディアにとって、痛い広報担当者のタイプがいくつかあります。きょうはそれをご紹介します。あなたは、ど…

高まる企業の危機管理の重要性 昨年も、日本大学、財務省、文部科学省、東京医科大学、スルガ銀行、日本ボ…