人を惹きつける「ストーリー」に必要な3つの要素
世界が求めているものは「ストーリー」
いまや人々が求めているものは「ストーリー」です。マーケティングにもPRにもスピーチ・プレゼンテーションにも必要なものは「機能説明」ではありません。「ストーリー」です。でも、多くの人は「ストーリー」といってもピンと来ないかもしれません。「ただ経緯を語ればいいのかなぁ~」。「そんなドラマチックな話などないし・・・」。そんな声も聞こえてきそうです。そこで今日は、抜群のストーリーをつくる際に必要となるコツを3つご紹介します。
(1)1行で説明できること
一つ目は「一行で簡潔に説明できなければならない」。ハリウッドの映画制作者や脚本家の間では、これを「ログライン」とか「ワンライン」と呼んでいます。たとえば、「入社したての新入社員が週末に会社の研修に行くが、なぜか命を狙われる」(「リトリート・アイランド」2011年)。ログラインとは本の表紙のようなもの。表紙が良ければすぐに中身を読みたくなるものです。
(2)皮肉があること
二つ目は、「皮肉があること」。たとえば、「警官が別居中の妻に会いに来るが、妻の勤める会社のビルがテロリストに乗っ取られてしまう」(「ダイ・ハード」1988年)、「週末の楽しみに雇ったコールガールに、ビジネスマンが本気で恋をしてしまう」(「プリティ・ウーマン」1990年)。どうでしょう。いずれも皮肉が効いていますね。
(3)面白い展開が予感できること
3つ目は「ログライン(つかみ)から何か面白いことが起きそうな予感がすること」です。つまり読者(オーディエンス)の想像力をかきたてることです。たとえば、「父親の事業の失敗で7千万円の借金を背負った僕は再起をかけて立ち上がった」「ある日、社長と大喧嘩した私は、突然、3日後の解雇を言い渡された」(実は、後者は私自身のかつての話です)といえば、その後なにが起きたかに関心を持たざるを得ません。
ハリウッドの人気脚本家で「ブランク・チェック/100万ドル大作戦!」などの映画脚本を手掛けたブレイク・スナイダー氏は、「『どんなストーリーなの?』こそ、勝負を握る鍵なのだ。これに簡潔にうまく答えられるかどうかにすべてはかかっている」と述べています。ちなみに、株式会社コミコンでは、スピーチライティングやプレゼンのスクリプトライティングも提供しています。(高橋眞人)