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謝るのが美徳の日本人、謝らないのが美徳のアメリカ人(7)

ベッキーの不倫会見は行き過ぎた謝罪の儀式

社会心理学の我妻洋氏らは「日本人にとっての謝罪とは、主には集団の序列と調和を確認する行為である」という。ここで私がその実例として取り上げたいのは、タレントのベッキー(当時22歳)が2016年1月6日におこなった既婚のミュージシャンとの不倫に関する謝罪会見である。相手のミュージシャンは「ゲスの極み乙女」という人気バンドのボーカルを務める川谷絵音(当時27歳)であった。

涙ながらに何度も頭を下げたベッキー

会見で何度も頭を下げたベッキーさん

イギリス人ハーフのタレントであるベッキーは、その明るく前向きなキャラクターが好かれ、人気を得てきた。記者会見でベッキーは自身が「アーティスト川谷絵音さんの作る音楽のファン」であると説明。この正月、長崎にある川谷の実家を訪れていたという報道に関しては、2人で川谷の実家を訪れたことは事実と認めたが、「お付き合いということはなく、友人関係であることは間違いありません」と恋愛関係を否定した(その後、一転して認めた)。「誤解を招くような大変軽率な行為だったと深く反省しております。申し訳ありませんでした」と、涙ながらに何度も頭を下げた。

ベッキー不倫報道は集団リンチであるとの声も

この謝罪会見で注目したい点は、ベッキーが犯罪をおかしたわけでもないのに、公の場で涙を流して謝罪しなければならなかったという事実である。評論家の古谷経衡氏は、ベッキーをめぐる このバッシングについて、それが行き過ぎた「集団リンチ」であり、まるで「道徳自警団」だと揶揄しつつ、警鐘を鳴らしている。

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<その様相はもはや「社会的制裁」を遥かに超えた「集団リンチ」と言って過言ではない。正直ウンザリの感があり、また実に異様で特異な光景でもある。具体的な法を犯したわけではないが、「道徳的価値観」に照らし合わせて「道徳的でない」と判断される人間を懲らしめたい―。しかし、「道徳的でない」というだけでは当然、司直の手による裁きにそれを委ねることは出来ない。よって自らが率先して攻撃しよう、という試みが生まれる。・・・この『道徳自警団』によるバッシング、すなわち自力救済の現象は、この国にインターネット文化が根付くのに比例して拡大の一途をたどっている。 >(2016年1月27日の古谷氏のブログより)

ルールを破った者は必ずひれ伏して謝罪するという文化

日本における道徳(モラル)に照らし合わせた善悪判断は行き過ぎている面があるかもしれないが、今回のベッキー事件が如実に示していることは、日本では、ルールを破った者は必ずひれ伏して謝罪しなければならないという掟であり、文化なのである。 この文化は、日本人の私たちにとって当たり前のように理解されている「建て前」と「本音」の構造とも、大きく関係している。(高橋眞人)

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