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謝るのが美徳の日本人、謝らないのが美徳のアメリカ人(8)

日本は自己批判と謙遜の文化といわれるが

 アメリカと日本との間の謝罪文化の違いは、両国の歴史的・文化的な背景に深く根差していると考えられる。日本の文化は自己批判と謙遜の文化であるといえる。

自己批判の精神は孔子の儒教の影響

 一般に東アジアの民族は自己批判、自己向上の志向が強く、これは孔子の儒教の考え方の影響が大きいといわれる。日本人が自己批判的(内省的)態度を持っているのも同じ理由である。儒教では「人間は本質的に不完全な存在であるから謙譲の精神が必要だ。謙譲の精神があれば、自己向上と、自分自身への善良な行いと、他者への善良な行いのバランスが取れる」と説いている。

自己批判を超えて自らを辱める日本の謝罪文化

 だが、日本の謝罪文化は、単なる自己批判や自己向上の精神を超えているという見方がある。日本人は自己向上どころか、公の場で自分たちを辱めようとする。コミュニケーション学を専門とする西山和夫・ハワイ大学名誉教授は、日本人の社会行動について以下のように指摘している。

日本では、他者の前で自己卑下することが美徳とされている。これに対してほかの多くの国々では、自分の意見を率直に表明することが美徳とされている。日本人男性にとっては、自分自身を辱め、必要とされるときに適切に謝罪するのを学ぶことが非常に重要なのである。多くの日本人は聴衆の前で話そうとすると、謝りの言葉から入る。もしその人が自信満々で自己主張が強い人だと思われてしまうと、必ず聴衆の反感を買ってしまうからである。

20歳のアイドルが謝罪のため丸坊主に

このように、日本人にとっては、自分を貶める謝罪を行うことが儀式としてきわめて重要なのである。たとえば、アイドルグループAKB48に所属していた峯岸みなみさん(当時20歳)が2013年1月31日に公開した謝罪動画がよい例である。

峯岸みなみさん(当時)

自己を辱めることで謝罪の意を表する

峯岸さんはグループの恋愛禁止というルールを破り、ボーイフレンドのEXILE(エグザイル)の 弟グループGENERATIONSのダンサー、白濱亜嵐さん(当時19歳)と一夜を共にしたことについて、頭を短く刈り上げ坊主頭で動画で謝罪した。著名なアメリカの文化人類学者ルース・ベネディクトが『菊と刀』の中で日本の文化を「恥の文化」と称したように、日本の謝罪は自己を貶めようとする儀式である。

服従、自己卑下を表現するのが日本の謝罪

哲学を専門とする米デポール大学のダリル・クーン教授は「日本人の謝罪は服従、自己卑下、おとなしさを表現し、アメリカ人は誠実さを表現する傾向がある」と述べ、文化的差異によってどんな謝罪を真摯なものとして受け入れるかは異なることを指摘している。(高橋眞人)

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