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謝るのが美徳の日本人、謝らないのが美徳のアメリカ人(11)

「決して謝るな」を実践したマーサ・スチュワート

 米南オレゴン大学のエドウィン・バティステラ教授(言語学) は「ウェイン・コード」と呼ばれるアメリカ人特有の行動ルールについて、以下のように説明している。

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アメリカ人特有の行動規範は「ジョン・ウェイン・コード」

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映画『黄色いリボン』(1949年)の中で、ジョン・ウェインが演じたネイサン・ブリトルズ大尉の軍人としてのモットーは「決して謝るな」であった。ロス・ペネル少尉がオリビアと滝の近くにピクニックに行こうと計画を立てたことを謝ったとき、ブリトルズ大尉はペネル少尉にこう言った。「決して謝ってはいけませんよ。それは弱さの表れなんですから」。昔から繰り返し、謝罪はある種の男性的性質と結び付けられてきた。しかし、ブリトルズのモットーは、自分のしたことに対して後悔や共感したり、自身に責任があることを淡々と承認したりするよりむしろ、拒否をする。このジョン・ウェインのコード(作法)は、戦後アメリカの重要な岐路に面した大統領たち—キューバ危機に直面したケネディや辞任を余儀なくされたニクソン、イランアメリカ大使館人質事件に見舞われたカーター、イラン・コントラ事件のレーガン、アメリカのために決して謝りはしないと言ったジョージ・ブッシュ—にも適用された。


(エドウィン・バティステラ「Sorry About That: The Language of Public Apology」

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「決して謝るな」は女性にも適用される

「決して謝るな」は男性だけのためのフレーズではなく、女性にも適用される。『女子のための権力と成功へのガイド』を著した女性起業家、スーザン・ソロヴィック氏も、謝罪することに否定的だ。ソロヴィック氏は「それが儀礼であったとしても、常に『申し訳なかった』と言っていれば、自分自身を低く評価していることになる」と主張している。

逮捕されても謝罪しなかったマーサ・スチュワート

   「決して謝るな」という信念を典型的に実践した女性がいる。2004年にインサイダー取引で有罪となった、実業家であり「カリスマ主婦」として長年人気を保ってきたマーサ・スチュワート女史である。ビジネス倫理を専門とするセント・トーマス大学のダリル・クーン教授 は、次のように書いている。

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マーサ・スチュワートは、インサイダー取引に自身が関わったことや違法行為を一貫して否認した。彼女は自分自身が起訴されたことで自身の人生と同様、従業員や顧客やステークホルダーらの生活も台なしになったことについて後悔を表明したものの、有罪判決が下されて刑務所行きを余儀なくされた自らの違法行為については、彼らに決して謝らなかった。


ダリル・クーン「Why Saying “I’m Sorry” Isn’t Good Enough: The Ethics of Corporate
Apologies」

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「カリスマ主婦」として長年人気を誇ったマーサ・スチュワート

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  マーサ・スチュワートは、自身の誤りと責任を決して認めることはなかった。彼女が口にした「後悔している」(regret) という言葉は、その意味があいまいである。マーサ・スチュワートのこの一連の騒動は、今でもアメリカのCEOによるワースト謝罪のランキングに入るほどである。 (高橋眞人)

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