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謝るのが美徳の日本人、謝らないのが美徳のアメリカ人(13)

感謝を示すために謝る日本人

日本人は人に何かを依頼するとき、「すみません」といった謝りの言葉をよく使う。アメリカ人も「エクスキューズ・ミー」などの言葉を使うことがないことはないが、日本人のほうが圧倒的に多い。一方、アメリカ人は人に何かを頼むとき、「サンキュー」といった感謝の言葉を多用する。日本人はアメリカ人ほどには感謝の言葉を使わない。

「すみません」を見事に使い分けた高倉健

 ノンフィクション作家、野地秩嘉氏が、日本の名映画俳優である高倉健がすべての映画出演作の中でしゃべるセリフを多い順にカウントしたところ、「すみません」「お願いします」「ありがとう」がベスト3だったという。

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ただし、同じ言葉ではあっても、場面によって意味は違う。「すみません」一つをとっても、他人の家を訪ねるときの挨拶であったり、他人から好意を受けたときの感謝だったりする。時には他人に何かを頼むときの呼びかけでもある。そして、彼はシチュエーションが変わるたびに、声のトーンやボリュームを変える。極端に言えば、彼はこの3つの言葉を駆使することで、一本の映画に主演することも可能なのだ。



(野地秩嘉 『高倉健インタヴューズ』)

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日本人にとって感謝と謝罪は似通っている

 米ハワイ大学のハイウン・リー教授(コミュニケーション学)らの研究によれば、74人の日本人のうち42人(56.8%)が人にものを頼むとき、謝罪の言葉を使っていたのに対し、アメリカ人は78人のうち6人(7.7%)しか謝罪の言葉を使っていなかった。一方、アメリカ人は68人(87.2%)が感謝の言葉を使っていたのに対し、日本人が使っていたのはたった1人(1.4%)だった。これを受けて、リー教授らは「感謝と謝罪の言葉は異なるが、感謝の気持ちと反省の気持ちは、相手に何がしかの借りを負っていることを示す意味で、時に互いに似通っている」と指摘している。

日本の「すみません」は「借りを負っている」の意味

 先述の我妻洋らも「謝罪と感謝は互いに関連している。日本では、人に好意で何かをしてもらうとき、してもらった人は借りを負う。日本人はだれかに借りを負ったと思うと、居心地が悪く感じるものである」と指摘する。であるからこそ、日本語には義務を表現する言葉が非常に多く存在するのだと考えられる。 (高橋眞人)

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