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謝るのが美徳の日本人、謝らないのが美徳のアメリカ人(17)

謝らない米国人を謝らせるための法律「アポロジー法」

 不祥事から受ける損失を容易に計測できるとき、迅速な謝罪は現実的な対応である。日本においては受ける経済的損失をほぼ正確に計測できるため、謝罪がより実行に移される傾向がある。

 しかし、アメリカで謝罪が行われるケースは限られている。謝罪することは長い間にわたり、自己の過失責任の証拠としてみなされてきたためだ。である故に、アメリカのテレビでレギュラー番組を持つ著名な実業家、マーサ・スチュワートも、インサイダー取引で服役することになっても、決して謝罪をしなかった。ロナルド・レーガン大統領も、コントラ疑惑でどれだけ追及されても、決して謝らなかった。

解決の邪魔になる可能性がある弁護士のアドバイス

 それでも、もっとも良い紛争の解決法は、被害者と加害者が自主的に話し合い、合意の道を探ることである。そのうえ、過去の多様な研究で、加害者による謝罪が訴訟を防ぎ、紛争解決のスピードを早めることを示している。したがって、弁護士による法的アドバイスは、紛争当事者間のコミュニケーション、協議の邪魔となる可能性がある(ダニエル・コイペルス氏)。

謝罪の意義を見直し「アポロジー法」成立へ

 そうした流れから、アメリカ各州でアポロジー法が制定されつつある。カリフォルニア大学のジェフリー・ヘルムライク准教授は「謝罪は紛争解決と訴訟回避に劇的な効果をもたらすことが証明されている。 そのため近年、大半の州で、謝罪を自分の責任を認めた証拠として採用しないようにするためのアポロジー法が成立している」と説明している。

日本では公的な謝罪をするのが普通

 日本では、アメリカと比較すれば、人に損害を与えたときに謝罪するのが普通である。従来は特権的に公式な謝罪をせずに済んできた医師や公務員も、近年は謝罪会見を開くようになってきた。

 日本では、人に損害を与えた場合、公的な謝罪をするのが常識である。それによって、被害者の気持ちは和らぎ、その後の関係が円滑化され、経済的補償でさえ帳消しになる場合もある。

 しかし、その日本においても、近年、被害者に謝罪することをためらう風潮はある。医療紛争に詳しい弁護士の山崎祥光 氏 は医師が謝罪を躊躇する背景にはさまざまな要因が考えられるが、最大 の理由は、訴訟において医療関係者が不利な立場になる恐れがあるということだ」と述べている。(高橋眞人)

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