新型コロナによる都市封鎖(ロックダウン)をサバイバルする10か条
新型コロナウイルスの席巻により世界中の多くの都市が封鎖(ロックダウン)される中、とくに感染者の増加が著しい東京も、都市封鎖の宣言が近づいていると囁かれています。安倍首相も非常事態宣言のタイミングを見計らっているのかもしれません。状況が落ち着き、杞憂に終わればよいですが、予断を許しません。
未経験のロックダウンが近づいている
それでは、ロックダウンとはどういうものでしょうか?東京のロックダウンがどのようなレベルのものになるかは不明ですが、世界の都市の例が参考となります。私たち日本人は(先の大戦中を除き)未経験ですが、これまでにアメリカ、イギリス、イタリア、スペイン、フランス、メキシコ、中国、オーストラリアなどで実施されてきています。なお、現在の日本の法律では、外出禁止令など強制的な措置は取れず、ほぼ「要請」ベースとなるようです。
都市への流入が禁止される
ロックダウンの基本は、圏内から圏外、圏外から圏内への人の移動の禁止です。物資を運搬するトラックは通行できます。
外出が禁止される
典型的な規制は、外出禁止令です。現在、外出禁止令の対象となっている人口は世界全体で30億人に上ると言われています。世界人口の約3分の1に相当する数です。さらに典型的なのが、イギリスなどのように深夜から早朝までの外出禁止令です。パリなどは厳しくて、外出の届け出を出さなくてはならないようですが、 メキシコなど緩い場所では、外出禁止ではなく、自粛要請という形が取られています。 食料品、必需品などの買い物や通院はできます。
店舗が閉鎖される
次に、店舗の閉鎖です。生活必需品や薬の販売店を除くすべての店舗が閉鎖させられます。飲食店は、テイクアウト以外のレストランや飲み屋、娯楽施設、スポーツジムなどが一律に閉鎖されています。とくに欧州や東京では、夜のバーやクラブで感染が広がったと指摘されているため、バー、クラブ、スナックなどの夜の社交場は封鎖が厳しく、長引くと予想されます。ライブハウスも同様です。図書館などの公共施設も閉鎖です。病院は開いています。
集会は禁止される
もう一つは集会の禁止。ニューヨーク市では50人以上、カリフォルニア州では自宅以外のすべての集会が禁止され、違反した場合は警察による処罰の対象となります。コンサートや映画館、スポーツイベントはもちろん禁止です。
学校も閉鎖となる
公立学校はすべて閉鎖です。ニューヨーク市では、 3月23日から自宅でオンライン授業となり、持ち帰りのランチは学校で提供されているようです。
ほとんどの職場が閉鎖となる
厳しい場合には、ほとんどのオフィス、工場、営業店舗が閉鎖され、テレワークのみ可能となります。つまり、ほとんどの人々が自宅で過ごすことになります。こうしたあらゆる活動に対する規制が数週間続きます。その影響で、メンタル的に不安となり、不安定になる人も出てくるでしょう。それらの不安定になった人々へのケアも大事になります。
ロックダウンにサバイバルする10か条
このようにロックダウン状況でも不安に陥らず、うまく対処するために、いくつか気をつけるべきポイントがあります。
1.一日のスケジュールをつくる
いつ起きて、いつ寝てもいい。一日中、パジャマでいてもいい。いつご飯を食べても、食べなくてもいい。それはそれで自由で最初は気分がよいと思うかもしれませんが、朝起きて、掃除をして、朝食をつくって食べ、仕事にとりかかる。そうしたスケジュールを立てることは非常に重要です。睡眠時間が短すぎるのもいけませんが、長すぎても、メンタル的に不安定になります。
2.メンタルヘルス相談を利用する
日頃と異なる環境でストレスが多いときは、メンタル面のケアが大事です。メンタル面の相談ができるサポートシステムを確保しておくとよいでしょう。足を運んで通院しても構いませんが、最近は電話やメールで相談できるシステムも出てきていますし、大企業の健康保険組合などではそうしたサポートと契約しているところもあります。
3.情報の取り過ぎを警戒する
ニュースやソーシャルメディアの見過ぎは、不安を掻き立て、心を不安定にする場合があります。在宅だと、ついついネットに長い時間アクセスしてしまいがちですが、ニュースやソーシャルメディアを見る時間を決めておくのが良い考えかもしれません。
4.人とコミュニケーションする
在宅であまり人と話す機会がなくなってしまえば、心理的に不安定になりがちです。職場の人とネット会議であっても話したり雑談したりする機会を持つ、友人と電話したりビデオチャットする時間を持つ、あるいはラインのチャットなどでも、工夫して人と連絡を取り合うべきです。最近、都市封鎖中のイタリアで、アパートのベランダにみんなが出てきて歌を歌ったり、楽器を演奏したりしている動画がソーシャルメディアでヒットしていました。ああやって、敢えて人とのコミュニケーションをつくり、音楽で心を癒しているのです。
5.運動の習慣を続ける
運動の習慣は、実はメンタル面の健康にとって非常に重要です。スポーツジムには行けなくなるかもしれませんが、ジョギングや庭や自宅でのエクササイズの習慣を維持することをぜひお奨めします。
6.アルコールや薬物に頼らない
精神的な安定が必要だからといって、アルコールや薬物、過剰なサプリメントに頼らないようにしてください。
7.健康的な食事を維持する
高いストレスがかかっているときは、食事の時間を取ることのほか、健康的な食事をとることも重要です。保存用食品、インスタント食品ばかりを食べるのではなく、意識して生鮮食品や野菜を摂取するようにしてください。肉・魚類、豆類、果物も。自身の免疫をよく機能させるためにも、健康的な食事は重要です。健康のために、食べるのです。
8.噂ではなく事実について話し合う
噂や憶測ばかりを話していると不安が高じたり、パニックを起こしたりしてしまいます。また、学校が閉鎖されてしまうので、子どもも家にいることになり、子どもたちにはとくに事実を正しく伝えることが重要です。
9.パニック買いに走らない
スーパーの物資が少なくなっているからといって、パニック買いに走ってはよくありません。不要なものまで買ってしまったり、多く買いすぎたりしてしまうからです。
10.手洗い、うがい、除菌
外出から帰ったとき、そして料理を始める前、ものを食べる前、トイレやくしゃみ、鼻をかんだ後に手を洗ってください。家にいれば、好きなだけ手を洗えます。爪ブラシで爪も洗い、エタノールや次亜塩素酸ナトリウムで殺菌すれば最高です。鼻うがいをすると、鼻と口の粘膜をすべて洗うことができますし、粘膜についた花粉も落ちるので気持ちがいいです。また、咳をしている人や風邪をひいた人が料理しないことも重要です。(高橋眞人)