記者が広報担当者をイラっとさせる7つの習慣
企業の広報担当者は、ある意味、お客様であるマスコミの記者に対して、あからさまに不満、不平をいうことはありませんが、記者のさまざまな悪習のためにイライラしています。
1.メールやプレスリリースを送っても返事が来ない
記者はたしかに多忙です。「毎日何十通もリリースが来るんですよ。いちいち返事なんかしていられません」。それも事実でしょう。でも結局、広報担当者がメディアに電話をかけなければならなくなるのは、レスポンスがないからです。もし記者が一言でもいいから「却下。その理由は・・・」とか、「検討中。しかし状況は厳しい」とか回答をくれれば、広報担当者の仕事はどんなに楽になることでしょう。
2.取材をしても勝手に記事にするのをやめてしまう(そして連絡しない)
マスコミでは、記事化はすぐに中止されてしまうものです。しかしこの記事化の中止は、期待している企業やその関係者を著しく落胆させます。いちばん困るのは、企業のトップや役員に取材して期待させておいて、何の連絡もなく記事化がなくなってしまうことです。記者からその旨の一報と、理由と、一言謝りの言葉があればどんなに広報担当者の側もほっとすることでしょう。
3.気安く取材日時を変更してくる
記者は多忙です。しかし、自社のトップや役員などアポイントメントを取るのが大変な人に対する取材でさえ、その日の都合によって気軽に変更を求めてきます。けれども、広報担当者の側は変更を拒めません。役員に対しても取材日時の変更について自分が謝らねばなりません。広報担当者の苦労は尽きません。
4.企業の側に確認をせず記事にしてしまう
企業にとってネガティブな記事も、当該企業に電話で少しでもいいから裏取りの取材をしてくれてから記事にしてくれればいいのに、当該企業を取材せずに記事にしてしまうことがあります。これは企業にとって、非常に困ることです。ネガティブな要素がない記事であったとしても、当該企業に対して確認取材しなかったために、事実関係が間違ってしまうこともあります。やはりここは、最低限、当該企業に少しでも取材をして確認していただきたいところです。
5.取材意図を隠して取材する
一部のメディアは、取材の本当の意図を隠して取材することがあります。たとえば、ある企業のことを批判するために取材に来るのに、そういうことは告げないで、中立的もしくは好意的なふりをして取材させてくれというのです。企業にとっては一種の騙し討ちです。企業にとっては、きわめて評判の悪い取材方法です。
6.取材前にまったく準備不足である
広報担当者のほうは、記者が資料を提供するなど、事前に予習ができるようできる限りの協力をしようと思っているものです。ところが記者のほうが、やろうと思えばできる予習をやってこず、まったくさらの状態から質問しようとする人がいます。これも広報担当者には評判の悪い記者の癖です。
7.広報担当者から取材のあり方についてフィードバックを受けない
広報担当者の側は、メディアに対する情報提供のしかた、付き合い方について、記者からフィードバックをもらい、参考にしようと思っているものです。記者も要望に応じて、広報担当者にアドバイスすることがあります。しかし、記者が広報担当者から取材のあり方、記者としてのあり方について意見を教えてもらい、我が身を振り返ったとはいまだかつて聞いたことがありません。不公平な話ですね。(高橋 眞人)