フェイクニュースから企業を守るための4つのステップ
今やSNSはフェイクニュースの嵐
コミュニケーション技術が日進月歩で進化する状況にあって、SNSは今や正しい情報もフェイクニュースもごっちゃになった嵐のような様相です。企業は自社の評判を高めるとともに、嘘の情報(フェイクニュース)とも戦わなければなりません。あなたの会社は、この危機に対してどのように対策を立てていますか? SNS上の炎上を防ぎ、企業を守るためにはどうすればよいでしょうか。
フェイク情報のほうがシェアされる確率が70%高い
米国のマサチューセッツ工科大学の研究者チームは、フェイクニュースが正確なニュースや情報よりツイッターでリツイートされる確率が「70%高い」といっています。そして、そのフェイクニュースをシェアしているのは、コンピューターではなく、自らの存在感をネット上で示そうとする人間なのです。フェイスブックやそれ以外のソーシャルメディアでも、同様の現象が起きています。そして非常に多くの人々がそのソーシャルメディアに参加し、さまざまな情報にアクセスし、シェアをしているのです。
放っておけば回復不能なほどのダメージが
フェイクニュースは、シェアのされ合いによって、勢いに乗って拡散していきます。その結果、個人事業主や企業の評判が著しく傷つけられることがあります。企業に関係する個人の評判が回復不可能なほど傷つくことも起こり得ます。
もっとも大事な予防策は、フェイク情報の拡散が勢いを増す前に、誤った情報を迅速にきちんと訂正することです。フェイク情報や噂がバズる前に企業を守るための4つの予防策の手順は次のとおりです。
1.フェイク情報を迅速に察知する
まずは、脅威に転化する前に、一刻も早く誤った情報がネット上に流れている事実を察知する必要があります。自社のブランドイメージを大切にしている企業であれば、ネット上のクチコミを常時モニターする契約をオンラインモニタリング業者と結んでおく必要があります。
2.ファクトシートと想定質問を作成する
どんな情報が流れているのかを正確に把握したら、その問題に関する正しい情報を網羅し、フェイク情報を打ち消すファクトシートを作成し、組織としての承認を得ます。透明性は常に企業をフェイク情報から守るのに役立ちます。 また、消費者やメディアからの質問を予想した想定質問(FAQ)の準備は、ネット上での迅速な反撃の基盤となるだけでなく、あらかじめフェイク情報を拡散することを食い止める効果も持ちます。
3.コミュニケーション計画の策定と報告・承認プロセスの確認
次に、危機対応及びメッセージ発信のコミュニケーションプランを策定します。フェイク情報が拡散する前に、収集した情報の報告と承認を得るプロセスについて明確にしておいてください。拡散が始まったとき、このシステムがタイムリーに機能できるようにしておくためです
4.連携するパートナーを確認する
危機において、連携してフェイク情報に対抗すべき相手を確認してください。たとえば、従業員、顧客、取引先、提携先、インフルエンサーなどです。これについては、常に最新のリストを整備しておくべきです。これら社外の関係者は、自社幹部や社員よりも発言が信用されているという場合がしばしばあるものです。これら関係者(ステークホルダー)との連携を軽んじてはいけません。(高橋眞人)