ビル・ゲイツ氏「ウイルスは世紀に一度の病原体である可能性」を警告

ビル・ゲイツ氏は2020年2月28日、医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスン」に掲載した論文の中で、「COVID-19はパンデミックであり、私たちが心配していた世紀に一度の病原体である可能性がある。それがそれほど悪くないことを願うが、そうでないことが分かるまでは、そういうことだ」と警告した。

死亡率は典型的インフルエンザより高い


ゲイツ氏は「第一に既存の健康問題を抱える高齢者に加え、健康な成人を殺すことができる。第二にCOVID-19は非常に効率的に感染する。感染者1人は平均してほかの2~3人に広げる。指数関数的な増加率だ」と述べた。
さらに、死亡率が典型的なインフルエンザより高いことを指摘。患者が受けるケアの質に応じて死亡率は0.7~4%の範囲で変動する可能性があり、推定平均死亡率は現在約1%だと述べた。


「いかなる危機においても、指導者には2つの重要な責任がある。差し迫った問題を解決し、それが二度と起こらないようにすること。COVID-19パンデミックはその好例だ。命を救う必要がある」

予算を投入してワクチンの開発を急ぐべき


ゲイツ氏は、ワクチンの大規模な治験が6月にも行われると予測。ワクチンをだれにとっても手頃な価格にすることが、ウイルスの大流行を抑えるための「正しい戦略」であると述べた。「パンデミックを防ぐには、数十億ドルが必要だ。大流行がもたらす経済的苦境を考えれば、この支出は許容できるものだ。無駄にする時間はない」と主張している。


ビル&メリンダ・ゲイツ財団は2月上旬、治療法の開発とウイルス検査の拡大を支援するために1億ドルを寄付すると発表している。

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