現在もっとも成長している職種はなにか?通販、医療、ローン、多様性・・・
米のビジネス特化型SNSであるリンクトインが、今年も「最も成長している職種」という報告書(プレスリリース)を発表しました。同社は2020年(4~10月)に最も需要の高かった職種を調査しました。同社は、コロナ禍が雇用環境を変えたたため、雇用主も求職者も、現在起きている変化を理解することが非常に重要だと主張しています。以下が現在急増中のトップ5の職種だそうです。
1. 通信販売関係
昨年はコロナ禍のロックダウンや自粛のため、小売業者や物流会社が数千人のEコマース労働者を採用しました。前年比で73%増加。その需要は、現在40万人を超える求人で続いているそうです。日本でも宅配ドライバーや倉庫労働者の人手不足がかなり報道されていました。具体的には、ドライバー、サプライチェーン担当者、パッケージ担当者など。給与範囲:$ 42,000- $ 56,000。リモートワークの可用性:低。
2.ローンの専門家
これは面白いですね。歴史的な低金利などのため、昨年はローンの専門家が多忙となり、多くの企業がビジネスを拡大したそうです。コロナ禍による緊急融資の増加も関係があるのでしょうか。2020年のこれらの仕事の採用は前年比で59%近く増加しました。約4分の1が、リモートワークが可能です。具体的には、住宅ローン担当者、エスクロー(第三者預託)担当者、ローン契約担当者など。給与43,700ドル-60,000ドル。リモートワークの可用性:高。
3.医療従事者
新型コロナ蔓延が、医師や看護師の需要を喚起しましたが、そのほかの医療専門家をサポートする人々の需要も生み出しました。これらの職種は前年比34%以上増加しています。 今後も高齢化が進展することを考えると、この分野の増加は当分の間続くと思われます。具体的には、看護助手、薬剤師、歯科助手、在宅医療助手など。給与65,300ドル-106,000ドル。リモートワークの可用性:低。
4. 営業のプロ
失われた仕事もあった一方で、企業の収益を助ける職が増加しました。これらの職種の採用は前年比45%以上増加しました。やはりいつの時代も、売らなければ収益は得られないということでしょう。具体的には、営業コンサルタント、営業管理アシスタント、営業スペシャリスト、戦略アドバイザーなど。給与43,300ドル-105,000ドル。リモートワークの可用性:低。
5. 多様性(ダイバーシティ)の専門家
米国では多様性を求める声が高まり、企業人事は多様性専門家に頼るようになりました。「多様性の専門家」などいかにもアメリカ的ですが、日本も間もなくそうなっていくのかもしれません。これらの職種の採用は前年比90%以上増加しました。具体的には、ダイバーシティマネージャー、ダイバーシティオフィサー、ダイバーシティ責任者、ダイバーシティコーディネーターなど。給与72,900ドル-97,000ドル。リモートワークの可用性:低。
なお、企業から求められるハードスキルは以下の通りだそうです。
- ソフトウェア開発
- データサイエンス
- プログラミング
- プロジェクト管理
- データ解析
- SQL(データベース言語)
- シックスシグマ(品質管理手法)
- デジタルマーケティング
- 製品管理
- プロダクトマネージャー
(高橋眞人)