カリフォルニアの史上最悪の山火事から学ぶ自治体広報
米国カリフォルニア州でいまだに燃え盛っている大規模な山火事では、犠牲者の数が74人に上るなど、同州の山火事としては史上最悪となっています。6千戸以上の家屋を焼き、さらに住民約1000人と連絡がとれておらず、犠牲者がさらに増える可能性もあります。発生から1週間以上が経っていますが、いまだに鎮火していません。州都のサクラメントやサンフランシスコなどで大気汚染も広がっています。
自治体はオンラインニュースルームで勧告や必要な情報を提供
この恐ろしい災害に直面して、地元自治体では、市民とコミュニケーションを取り、必要なメッセージを伝えようとする努力が続けられています。多くの自治体は、自らのウェブサイトで最新のニュースをシェアし、市民が容易にアクセスできるニュースリリースを掲載しています。市全体が強制退去状態にあるマリブ市では、まだ避難していない市民に対して今すぐに市外に退去すること、自らの家屋財産を守るために市職員の指示に従うことを求めるなど、自らのオンラインニュースルームから住民に直接呼びかけています。勧告のほか、道路閉鎖や避難所の情報も掲載しています。
政府のウェブサイトは家族探しの掲示板を提供
一方、政府のウェブサイトは、行方不明の家族・親戚や友人を探している人々のための掲示板を提供しています。ツイッターでは、人々が率先して被害の画像をアップし、共有しています。
自治体は災害時のツイッター、LINE、デジタルサイネージの活用に向けた備えを
こうした事例を見ると、災害発生時の地元自治体による機敏な情報発信がいかに重要であるかがわかります。自治体はいざというときのために、ウェブサイト、ツイッター、フェイスブック、LINE、防災行政無線、あるいは商用デジタルサイネージといった情報チャネルを、1日24時間、迅速に駆使できる体制を整えておく必要があるといえるでしょう。(高橋眞人)