小泉進次郎の発信力はバインド・メッセージにあり

自由があるのが自民党、自由がないのが民主党

小泉進次郎さんは、若手ですが、あらゆる年代の政治家の中でトップクラスの好感度ですね(政策や政治信念は問いません)。

小泉さんは民主党の政権下にあった2010年、「自由があるのが自由民主党、自由がないのが民主党。まさに党名が表しているなと思いますよ」と発言し、民主党政権を批判しました。

2017年の総選挙では、希望の党を旗揚げし、国政に出るのではないかと噂されていた小池百合子都知事に対して、「小池さんは出ても無責任、出なくても無責任」と印象的に批判しました。つまり、小池さんが都知事を辞職して出馬すれば、都知事を早々に辞めるのだから都民に対して無責任、
都知事に留まって、国政に出馬しないのは、立ち上げた希望の党に関して無責任だというわけです。

これらはすべて、小泉進次郎さんによる見事なバインドメッセージの発信でした。

バインド・メッセージこそが聴衆を誘導する秘密兵器

「バインド」とは、「縛る」「束縛する」「拘束する」などという意味。「バインド・メッセージ」は「相手を思考を縛るメッセージ」です。

つまりバインド・メッセージを発信することにより、マスコミや読者、視聴者を自分の思う方向に導くことができるのです。

このバインド・メッセージの発信にとても長けているのが小泉進次郎さんです。小泉さんがマスコミや視聴者を引き付けるのは「バインド・メッセージ」の発信が卓越しているからです。

バインド・メッセ―ジの発信にはセンスが必要

バインドメッセージは、はっきりモノを言うだけでは成立しませんし、短いフレーズやキャッチコピーを言うだけでも足りません。

有権者の思考を先読みできるセンスやコピーライティング力に加え、伝えるときの「間」や、仕草、服装、声の抑揚のテクニックも、聴衆との距離感や視線、理解度の確認も必要です。

バインドメッセージの発信により、演説だけでなく、取材を受ける際やプレゼンをする場合も、自分が伝えたいことを相手に効果的に印象づけることができます。

キーメッセージの発信よりもさらに高度な話し方のテクニックといえるでしょう。(浦山明俊)

おすすめ記事一覧

政治家の失言や問題発言が後を絶ちません。失言しなければすべてよいというわけでもないですが、政治家は言…

                * コミコン代表・高橋眞人がブログ連載した記事「謝るのが美徳の日本人…

「広報・PRを念頭に置いた戦略的CSR活動」をテーマに、代表の高橋眞人が2019年3月29日(金)午…

新型コロナウイルスのパンデミックの影響で、世界的な大不況が近づいているとマスコミが騒がしくなっていま…

論点のすり替えに見事に成功 反社会的勢力から飲み会参加のギャラをもらっていながら、「もらっていない」…

            新聞協会発表の新聞発行部数(ガベージニュース) ◆         ◆   …

人気タレントのベッキーさんが2016年1月、交際相手だった「ゲスの極み乙女。」のボーカル、川谷絵音さ…

日本では、企業によるソーシャルメディア(SNS)の活用が、一部企業を除いて遅々として進んでいないよう…

かつての紙の時代の記事の見出しづくりは、熟練を積んだ職人的なスキルが必要でした。なぜなら、限られた文…

プレゼンテーションを行うとき、もっとも大事なことは自信を持って話すことです。そうは言っても、不安だか…

1990年代から2000年代の我々は、新時代のコミュニケーションツールであった電子メールのやり取りに…

災害時のプレスリリースは取り敢えず出す 大地震や津波、火山噴火、大洪水といった災害が発生したとき、企…