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成功するシティセールスとはどんなものか~「秋田美人」を題材に考える

成功するシティセールスのコツとは

PR・マーケティングの講演のため、先月、秋田県湯沢市まで一泊で行ってきました。今回呼んでいただいたのは、湯沢青年会議所の皆さん。講演及びワークショップのテーマは、①SNS時代のPR・マーケティングと、②地方都市のシティセールスをブレイクさせるコツ――でした。このうち②のシティセールスについて、大体どのような話をしたかのエッセンスをかいつまんでご紹介します。

稲庭城(秋田県湯沢市)
稲庭城(秋田県湯沢市)

広告頼みは広告費の無駄に終わることが多い

シティセールスで皆さんがよく冒す間違いは、なんでも総花的にPRしてしまうことです。そのような考え方をするときに限って、プロモーションする方法は広告頼みで、テレビ・ラジオやネットの広告を出すことしか能がなかったりします。これでは、広告費の無駄遣いです。とくに現状、これといったブレイクのネタがなく、観光客を誘引する魅力に欠けている都市の場合、この方法では致命的となります。地方プロモーションでも最近流行りのバズることを目的とした動画の制作は、上手くやればそれなりの効果は上がります。けれども、それにしても、なんでもアピールすればいいというわけではありません。それこそ、ブレークスルーとなる一つのコンセプトがなければ、動画がバズることもありません。

総花的なPRは間違い、一点集中突破で行く

シティセールスは、総花的ではなく、一点集中突破で、尖ったセールスポイントをつくらなければなりません。内部からは「いやあれも、これも」と異論が出るでしょうが、なにか統一的、整合的なテーマが一つないと、観光客や産業や移住者にとって、心に残ることすらありません。

ネット時代は海外からのインバウンドを視野に入れる

また、ネット全盛時代は、国内観光客だけでなく、海外からの観光客の流入を念頭に入れて構想することが重要です。インバウンド観光に関する日本のポテンシャルは、まだまだあると考えられ、仮に日本人が関心をあまり示さないものであっても、売り出し方によって大きな可能性を秘めているからです。

世界三大美女とされる小野小町

潜在的起爆力を持つ「秋田美人の産地」

では、具体的に考えていきましょう。たとえば湯沢市の場合、私がもっとも注目したのは、同市が世界三大美人(自称ということですが)とうたわれる平安時代の女流歌人、小野小町の出身地である(可能性が高い)ことです。小野小町は皆さんもご存じのとおり、日本きっての美女とうたわれていました。これと抱き合わせで注目すべきは、秋田県南部、とくに横手、湯沢市付近がいわゆる「秋田美人」の産地であるとみられていることです。

日本人は日本女性の価値にもっと気づくべき

日本の女性は世界的に見て、大変な人気があります。これは「風俗」とか「ホステス」とか「人身売買」とか変な意味ではないのです。そういうことではなく、「結婚するなら日本女性」「交際するなら日本女性」という一定の、厳然たる定評があるということです。ロシアやウクライナの女性は世界でも外見的に大変な人気があると言われていますが、日本女性の場合は「外見がキュートである」というのに加えて「性格も優しく温和である」という総合的な評価です。これは私が言っているのではなく、私が知っている海外の多くの男性がそう考えているのです。実際、日本に非常に多くの英語教師や英語教師助手(AET)が海外から毎年やってきます。そのうちの男性の多くは、実は深く聞いてみると、「日本の女性に関心がある」と言う人が多いです。それで実際に日本の女性と結婚して日本に住み着いてしまう男性も少なくないです。

地元にいると何が魅力なのかに気付かない

そうしたことを考えると、観光資源として「秋田美人の里」を活用できるポテンシャルがものすごくあることが分かります。それにも関わらず、ありきたりのキャンペーンレディの委嘱やローカルな祭りなど多少のイベントごとを除けば、この潜在的な起爆力を持つ観光資源を上手く活用できているのは、秋田県も湯沢市も横手市も含め、まだどこにもないのです。おそらく、地元に住んでいる方々は、それが普通なので、国外から見た魅力がどこにあるのか、気づきにくいのでしょう。また、東北特有の奥ゆかしさが邪魔をするのかもしれません。非常にもったいないことです。

何ならブレイクして、何ならしないのか

湯沢市に関して言えば、全国区の観光資源はもう一つあります。「稲庭うどん」という名称で有名な「佐藤養助うどん」です。その本店が湯沢にあります。讃岐うどんは大衆的なイメージですが、こちらは高級な品のある、とても美味しいうどんです。うどんはうどんで、プロモーションすることが十分可能です。けれども、「秋田美人」とセットにして売り出すことは可能でも、「うどん」単体で、国内外に湯沢の名前をとどろかせるほどのブレークスルーにはおそらくなりません。稲庭城という佐竹氏の支城もあります。これも良い資源ですが、同様に、なにか統一的なコンセプトもしくはテーマがなければ、それだけでブレイクはしません。あと、わりと市外からも観光客を呼び込める「七夕絵どうろう祭り」というのが毎年8月上旬にあります。美しい情景を見て撮影できる素晴らしい、日本的な祭りなのですが、これこそが「秋田美人」とセットで売り出すべきイベントではないでしょうか。

統一的なコンセプトづくりが死活的に重要

統一的なコンセプトとは何でしょうか?ディズニーランドの場合、「世界中の子供たちにディズニーキャラクターを通じて夢を与える」ということです。何をとっても、そのテーマが貫徹しているのです。

では具体的に何をやればいいのか?

では、「秋田美人」をテーマにするといっても、具体的に何をやればいいのでしょうか?皆さん、それがいちばん知りたいとお思いになるでしょう。私個人としては、いろいろアイデアはありますが、残念ですが、この部分は簡単にはオープンにすることはできません。十分なやる気と開拓精神とリソースが揃っていないと、いくらアイデアが良くても、実現できませんし、やり方がちょっとでもまずければ失敗します。今でこそ超優良企業の東京ディズニーランド(オリエンタルランド)でさえ、日本に初めて開業したとき、成功する保証はまったくなく、失敗に終わったら3年ほどで撤収しようと、三井不動産と京成電鉄では話し合っていたと聞いたことがあります。(高橋眞人)

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