オンラインで良い医師を探せるようにしてほしい
患者にとって重要なのは、実は設備が整った有名病院を探すことではなく、良い医師、自分に合った医師に巡り合えるかどうかだ。インターネット上には病院・クリニック情報サイトが山のように存在している。しかし、本当は医療に限らずなんでもそうだが、とくに医療は、医師一人ひとりの技量や経験や考え方が患者の幸せを大きく左右する。 自分に合った医師を探すのは、むずかしい。 それをインターネット上で、一目で分かるようにしてほしいと望むのは、贅沢なことだろうか。一言でいえば、病院ディレクトリではなく、医師ディレクトリが痛切にほしい。
1. 医師の出身医学部が知りたい
どこの医学部を出て何年に医師免許を取得したか、これは患者にとって非常に重要な情報だ。
2.主な経歴が知りたい
どこの大学病院の何科で何年レジデントをしたのか、さらにどこの病院で勤務医をしたのか、留学経験があるならどこに何年行ったのか、また治療経験や手術経験が必要な疾患であれば、そういった治療経歴、手術経験歴も、患者が医師を選ぶとき、ものすごく有用な情報となる。
3.得意分野が知りたい
どんな医師にも得意とする治療分野や疾患があるはずだ。専門医等の資格があるなら、それが知りたい。それ以外は自己申告にはなるかもしれないが、その専門領域こそ、患者が知りたい点である。違うだろうか。
4.治療に臨むスタンスやモットーが知りたい
医師がどんな人物であるかを知るのは、かなりむずかしい。だが、本人が著した哲学やモットーであれば、公開することができるだろう。こうした情報も、ないよりはあった方が数段よい。本人が開示可能であれば、趣味なども公表してもらえば、もっといい。
5.本人の写真を見たい
医師を顔で判断するわけではないが、自分の健康を他人に委ねようとするとき、その医師の顔ぐらいは知っておきたいものだ。運転免許証にだって、パスポートにだって、写真は貼ってある。数ある国家資格の中でも有数の資格である医師が、もし自分の写真を出すのを嫌がるとすれば、これもおかしい。
6.著書やメディア出演歴があれば知りたい
この希望も当然のことだろう。著書があれば、その分野の専門家として認知されていると容易に分かる。メディア出演歴についても同様で、患者にとっては非常に有用な情報となる。
7.どこの病院に何曜日にいるのかを知りたい
自分にぴったりの医師の存在だけがわかっても、その医師にいつどこで会えるのかが分からなければ仕方ない。ディレクトリとしての役割を完全に果たすためには、どこの住所のどの病院に何曜日の何時から何時までいる、そして電話番号はこうこうである、と記してほしい。
良い医師を探したい欲求は患者の正当な願い
国民医療費は年々上昇する一方であり、それにつれて国民一人ひとりの負担も、消費増税や支払い医療費の増加、健康保険組合の解散などの結果、どんどん上がっている。そうした中で、自分に本当に合った優秀な医師に診察してもらいたいというのは、国民にとってのささやかかつ、正当な願いであろう。国も医師会も「医療改革」とはいうが、こうしたことも真剣に考えてほしいものだ。(高橋眞人)