PRが技術革新に追いつくために~「PESO」モデルで考える
ソーシャルメディアの普及と膨大な情報へのアクセスの向上のお陰で、多くのビジネスが革命的に変化を遂げていますが、PRの世界は停滞気味です。こうした技術革新にPRのプロフェッショナルが追い付き、全面的に活用するためには、どうしたら良いでしょうか?
今後のPRは「PESO」モデルで考える
もっとも重要なことは、常に「PESO」を統合した考え方を採用する必要があります。「PESO」とは、ペイド(paid=有料メディア)、アーンド(earned=パブリシティによって獲得したメディア)、シェアド(shared=ソーシャルメディア)、オウンド(owned=所有しているメディア)の4つのメディア・カテゴリーの頭文字です。
4つのメディアを活用してブランドを強化する
ペイドは、オンラインを含めたあらゆる広告メディアやメールマーケティングなどです。アーンドは、パブリシティの結果として、新聞やオンラインメディアやテレビ・ラジオに取り上げてもらうことです。シェアドは、フェイスブックやツイッター、インスタグラム、ユーチューブ、ラインなどのソーシャルメディアのこと。オウンドとは、自社が持つウェブサイトやブログのことです。
これらを統合的に扱うことによって、ブランドを強化するのです。そして、PR担当者が世の中のニュースの生成と伝播のプロセスに追いつくことができるのです。
PRの役割はまだ終わっていない
PRの役割はまだまったく終わっていません。PRは空気のようなものではなく、絶対的な価値を提供することができます。PRとは、ニュースの生成と伝播です。それが自社のマーケティング、販売、顧客サービスに必ず寄与します。PRはマーケティングに参加し、セールスリードを生み出すことができます。そのような発想が必要です。この「PESO」モデルが最高の状態で機能すれば、PRの効果が極大化することになります。
PESOモデルで必要なのはコンテンツ制作チーム
ここで重要なのは、この4つのメディアを意識しながら、自社としてコンテンツを作成するリソースを持つ必要があるということです。従来のアーンドメディアである記者や編集者は、PR担当者が何かを耳打ちしただけで記事にしてくれたかもしれませんが、4つのメディアを考えれば、どうしても自社としてそれぞれに適したコンテンツを制作する必要が出てきます。つまり、コンテンツ制作チームを持つ必要があり、このチームがきわめて重要な役割を果たすことになるでしょう。(高橋眞人)