職場の世代間ギャップをどう乗り越えるか(1)
多くの職場には、20代から60代に至る幅広い世代の社員・スタッフが混在しているものです。こうした多様性のある従業員の間で、世代間ギャップによるコミュニケーションの苦労はありませんか?世代間ギャップを埋めることができれば、きっと職場の生産性は向上することでしょう。
まず、米国を中心に使われている世代ごとの定義を見てみましょう。
各世代の定義
●団塊の世代(ベビーブーマー)(1946~1964年生まれ=56~74歳)
●X世代(1965~1980年生まれ=40~55歳)
●Y世代(1981~1996年生まれ=24~39歳)
●ミレニアル世代(1986年〜1995年生まれ=25~34歳)
●Z世代(1996年生まれ以降=24歳以下)
世代ごとの特徴を知る
以下の各世代の特徴を知ることで、各世代が労働に関してどのような価値観を持っているかを理解できます。
団塊の世代(56~74歳)
階層的なルールに従う文化を高く評価しています。勤勉で消費志向。これは物資の窮乏の不安定さの中で育った両親を持つことの影響です。人々は義務を果たさなければならず、年齢相応の経験を持つべきだという信念があります。子供のころの最大の技術革新はテレビと電話の普及でした。ハードワークと終身雇用による安定と進歩、年金の保証を望む。対面または電話でのコミュニケーションを好む。
X世代(40~55歳)
両親が一生懸命働くのを見て育った。独立した個人の世代。コンピューターの普及に直面した最初の世代。団塊とミレニアル世代の架け橋で、双方の特徴を受け入れる傾向があり、柔軟で適応性がある。ハードワークと終身雇用を好むが、プライベートな生活とのバランスが必要と考える。対面、電話、メールによるコミュニケーション。
Y世代(24~39歳)
ツイッターやフェイスブックなどのソーシャルメディアになじんだデジタルネイティブ世代。技術の爆発的進化と大きな社会的変化の中で成長したため、X世代以前と大きく異なる。現在の労働力の大部分を形成し、ビジネスリーダーとして台頭しつつあり、経営者がこの世代のニーズ、欲求、態度を無視することは有害となる。
ミレニアル世代(25~34歳)
インターネットの発展とともにあったデジタルネイティブ世代。ソーシャルメディアの登場と普及を見て育った。新技術の急速な普及の結果として、変化する将来を見る能力。多様性にオープンである。フラットな組織構造を好み、従業員が分散され、リモートになっていくべきだという考えを持つ。役職や年齢のみに基づく権限に対して抵抗し、貢献の質を尊重する。アイデアをオープンに共有する意欲を持つ。不況と経済不安の中で育ったため、消費意欲が低い。私生活を犠牲にすることなく、短時間でキャリアと充実した余暇を手に入れたい。長く同じ会社にいることより転職でステップアップすることを好む。メール、インスタントメッセージ(チャット)を組み合わせてコミュニケーションする。
Z世代(24歳以下)
企業にとって未知の存在。ミレニアル世代のオープンな思考が強化されている。最新のIT技術を非常に尊重する。コンピューター、スマートフォン、タブレット、その他のモバイルデバイスで育ち、上手く使いこなす。オンラインでのリサーチと情報へのアクセスに精通している。ネットワーキングの目的で知らない人にメッセージを送ることに抵抗感がない。ミレニアル世代と比べて、車や旅行などの消費意欲がさらに低い。小学生の頃からユーチューバーに憧れる人が一定割合いた。ユーチューブやインスタグラムなどのソーシャルメディアで個人ブランディングを行うことの価値を認め、実行する。私生活や個人の哲学に従うことを尊重し、同じ会社にいる期間はミレニアル世代よりも短い。チャット(インスタントメッセージ)による短文のコミュニケ―ションと迅速な応答を強く望む。[続く](高橋眞人)