世界では「日本のパワポは世界一醜い」という話で盛り上がっている(泣)

日本の「霞ヶ関芸術」パワポがついに海外勢に目をつけられてしまった

これは大げさな話ではありません。本当のことです。ツイッター上で、当の日本人をさて置いて、こんな話題が繰り広げられているのを発見しました。

デビッド・フィックリング氏(書籍編集者)「(上記の「自由で開かれたインド太平洋を実現するための日本の3つの努力」=おそらく外務省作成のもの?=というスライドを添付しつつ)日本は過去何世紀も絶妙なデザインのセンスで有名だったけど、世界で最もひどく醜いパワーポイントを作っているという事実、気に入った」「このパワポにあるイタリックのサンセリフ下線付きのテキストは見ると目が痛いんだ」

ゲロージ・リーディー氏(ブルームバーグ編集者)「ほら、これがその日本のプレゼンですよ」

トビアス・ハリス氏(日本アナリスト)「(下記の「誰もが豊かさを実感でき、誰も取り残さないあたたかい成長を実現」というスライドを添付しつつ)内容は置いておいて、西村大臣からCEFPに提出されたこのスライドは頭が痛くなる」

日本政府が作成した西村大臣の資料

フィックリング氏「ここで非常に奇妙なのは、漢字には多くの意味が含まれてるから、同じ量の情報を伝えるのにスライド1枚ごとの文字は確実に少なくなるはずだよね…だけど、極小化で有名な国なのに、逆の極端な方向に進んだのだろうか?」

ジェームズ・メイガー氏(ブルームバーグ経済編集者)「Yahoo!Japanのウェブサイトにご案内します。これは標準的な日本の水準より洗練されてシンプルになっていますけどね」

ヴィクター・ファーガソン氏(オーストラリア国立大学経済法教授)「本当にそう!私が日本に住んでいた時、つもウェブデザインのあまりに不格好なことに戸惑っていましたよ。このスレッドの説明は参考になりました」

日本を代表する「霞ヶ関芸術」パワーポイント


上記の登場人物のお二人が提示しているスライドは、いずれも日本政府の作品と思われますが、日本の数ある組織の中でも、実は官庁のスライドが最悪なのです。その意味は、官庁のパワーポイント資料はいずれも、文字をこれでもかというばかりにぎっしり詰め込んで、ビジュアル的な工夫がなく、しかも何がもっとも言いたいことなのかを把握するのが非常にむずかしい作品なのです。

1枚にできる限りの情報を詰め込むスライド資料

1枚の限られたスペースに最大の情報量を盛り込んでいるという意味で、ある意味、芸術的であるとさえ言えます。私はこれを称して「霞ヶ関芸術」と呼んでいます。シンクタンク系も官庁との付き合いが深いためか、「霞ヶ関芸術」の愛好家であるということができます。

私も前々から日本のパワーポイントスライドは文字(情報量)がやたらと多く、しかも箇条書きが中心で、ビジュアル(写真やイラスト)の割合が少なく、頭にすっと入らない代物がほとんどであるという厳しい指摘をしてきましたが、海外勢のツイッター上で上記の証拠を発見しました。

そういうと、民間ならましなのかと思われそうですが、霞ヶ関ほどではありませんが、世界標準から見たら同じたぐいです。

そもそもパワーポイントは視覚的補助ツール

そもそもパワーポイントはビジュアルエイド(視覚的補助ツール)と呼ばれ、視覚的に講演やプレゼンテーションを補佐するものです。文字ばかりをぎっしり並べるなら、パワーポイントである必然性はなく、むしろワードのほうが読みやすいのです。大方の日本のパワーポイントは、文字を並べることばかりに意識が集中しており、どうすれば視覚的にオーディエンスの頭に効果的にインプットできるかといった視点がほとんどありません。

これをスクリーンで映せばさらにひどい状況に

さらにひどい人になると、この「霞ヶ関芸術」スライドをそのまま会場のスクリーンに映し出して得意気に講演してしまっています。大体、こんなに小さな文字をスクリーンで読めというのが不親切すぎるでしょう。スクリーンに映し出されると(読む気は失せますが)、真面目な人は一言一句読もうと努力します。でも実は、スピーカーはその読んでいる箇所とは全然違うことを話しており、(聖徳太子でない限り)そちらの肝心の話はまったく頭に入ってこなくなってしまいます。「自分の話は聴かなくていい(スライドさえ読んでもらえれば)」と言っているようなものです。場合によっては、まだ読み終わらないうちに次のページに移ってしまったり・・・。もうプレゼンテーションツールのビジュアルエイドの意味がまったくないといっても過言ではない。

ガイ・カワサキの10-20-30の法則

アメリカのエヴァジェリストとして著名なガイ・カワサキ氏は有名な「10-20-30の法則」というものを提案しています。これは「パワーポイントをつくってもいいが枚数は10枚まで、プレゼンの長さは20分以内、文字はすべて30ポイント以上」を守るように、との教えです。

「それ以上(それ以外)の膨大なパワーポイント資料は無駄」との思想です。また、「文字は少ないほどよい」(Less is More)というのが共通の考え方になっています。欧米の大企業はもうほとんどがこの方向性となっています。

日本の企業・官庁はもう少し「まずい」と思ったほうがよい

私が以前から指摘してきた上記のことが、ついに海外勢にまで知れ渡ってしまったようで、困りましたね。というか、日本の企業や官庁の皆さんはもう少し困ったほうがよいでしょう。私のプレゼンテーション研修では、話し方、伝え方だけでなく、効果的なパワーポイントの作成方法も併せて教えています。(高橋眞人)

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