エアバッグ問題で米国で窮地に陥る日本のタカタ

2018.08.02

※本記事は、2014年10月28日に高橋が掲載したブログ記事の再掲載です。

タカタ製エアバッグを搭載した乗用車の大規模リコール問題が米国で連日報道され、大きな問題となっている。対象となる車は、全米に広がった場合はメーカー10社の計960万台に上る(ロイター調べ)。世界では1,600万台に達するとみられる。対象となる車のメーカーはBMW、クライスラー、フォード、GM、ホンダ、マツダ、三菱、日産、スバル、トヨタ。そのうちホンダ車がもっとも多く、そのうちの多くは2000年以前の古いモデルが対象となっているという。

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA )は10月22日、対象となる車の所有者に対し、助手席の同乗者が危険であるとして、早急なリコール点検を呼びかけた。エアバッグの危険性についてなぜいま警鐘を鳴らすのかについては明らかにしていない。

トヨタ、BMWなどのメーカーはすでに対象となる車の所有者に対してリコール通知を送り、ディーラーの点検を受けるまでは助手席に人を乗せないようにとの注意喚起を行っている。(USAトゥデイ)

このエアバッグ問題に関しては経緯がある。2008年、高温多湿な地域で長期間使用された場合に不具合が発生していることが分かり、メキシコ湾岸の一部地域に限って自主回収やリコールが行われた。次いで2013年4月にトヨタ、ホンダ、マツダ、日産が計100万台以上を対象にリコールを行い、大きな問題として浮上。今年6月にはトヨタに続いてホンダ、マツダ、日産がリコール対象車を拡大し、計100万台以上が対象車として追加された。今年7月にはNHTSAがメーカー各社にフロリダ、ハワイ、バージン・アイランドを含む地域での追加リコールを要求。さらに10月20日にトヨタが24万7千台のリコールを届け出た。一方、NHTSAも同日、各メーカーに対して全米の計474万台の所有者に早急にリコールに応じるよう声明を発表。対象となるメーカーがさらに拡大し、巨大なリコール問題に発展した。

日本側の見解と食い違う米メディアの見方

トヨタは「関連した事故による傷害や死亡はない」と説明しているが、ニューヨークタイムズは「全メーカーを含めると少なくとも139の傷害事故があった」と報じている。

連日の報道で、米国ではタカタに対する不信感が広がり、米議会でも取り上げられた。集団訴訟の動きも出ている。リコールの対象地域が広がる可能性が出てきたことで、タカタをはじめホンダ、トヨタなどのメーカーのこれまでの認識を大きく超える追加費用が発生し、タカタの経営を圧迫する恐れが出ている。

高まるグローバルなクライシスマネジメントの重要性

死傷事故がすべてタカタ製品の欠陥が原因とは限らない。しかし、トヨタプリウスの大規模リコールでも経験したように、急発進のほとんどはアクセルの誤操作と後に結論づけられたにもかかわらず、米国の政府、メディア、議会による一斉攻撃によるネガティブイメージはなかなか払拭できず、トヨタは過去最高の12億ドル(約1,200億円)の和解金支払いを命じられた。タカタは今後、苦しい対応を迫られる。

アメリカ人ほど自動車に関心の高い国民はいない。日本の自動車産業においてグローバルな危機管理の重要性への認識がますます高まりそうだ。

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